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八ヶ岳の12月、いよいよ厳しい冬になろうとする頃、生まれてまだ3ヶ月ほどの仔猫が体じゅうを泥のようなもので汚し、寒そうに体を震わせていた。
僕の家の周囲には、何匹かののら猫君たちが暮らしていて、その仔猫はお母さん猫と一緒に、僕たちが家の外に用意しておいた箱の中で暮らしていたのだが、その仔猫が体を汚してどこかから帰ってきたため、お母さん猫は仔猫を威嚇し、近寄ろうとする仔猫を牙を剥くようになった。 ![]() その姿がとても可哀想で、僕たちは楽器倉庫にベッドを作り、そこで仔猫が暖かく過ごせるようにして、招き入れた。 我が家には先住猫のミント君がいるため、簡単に家の中まで入れることはできないが、楽器倉庫だったら問題ないし、冬の屋外とは比べものにならないくらい暖かいから、仔猫はそれ以来、そこで夜を過ごすようになり、いつしか仔猫の家となった。 それから3ヶ月と少し、仔猫は成長し、やがて女の子であることがわかった。 僕たちは彼女を家に迎え入れ、我が家の2匹めの家猫になってもらおうと思って獣医のもとへ連れていった。いくつかの検査と注射、そして手術が彼女を待っていた。そして、それはさらにまだ続く。 それらの施術は、もちろん彼女のために為そうと思ったことだ。 だが、僕に確信が持てない。その小さな可愛い命は、外でそのまま生きていたほうが幸せだったろうか、と思う。 何本かの注射、触診、そして去勢手術。 そのたびに、彼女は僕たちの腕に抱きかかえられ、車に乗せられ、診察台に載せられる。僕たちは精一杯、彼女に声をかけつづける。彼女が不安にならないように。彼女が孤独にならないように。彼女が怯えないように。 そして、その小さな命は、それらの試練をすべて乗り越え、いま、僕の膝の上で静かに目を閉じ、眠りつづけている。 よく頑張ったね、と思う。 でも、僕にはやっぱり確信が持てないのだ。その小さな命は、果たしてこれで本当に幸福なのだろうか。僕は何かとても大きな間違いをして、彼女を苦しめているのではないだろうか。 あまりに小さ過ぎて、あまりに弱くて、僕たち人間にはとうてい逆らうことができないその小さな命を、僕はひどく傷つけてしまったのではないだろうか。 その仔猫のささやかな寝息。折れてしまいそうなほど小さな手。僕の手の中の生命。 もしまた同じ選択をする時が来ても、きっと僕は同じことをすると思う。しかし、やっぱり心の底ではわからないままである。 ごめんね、と思う。 何度も何度も、仔猫にごめんねを言いながら、僕はまた獣医のもとへ彼女を抱きかかえていくのだと思う。彼女の命の行方を変えてしまった悲しみのようなものも一緒に抱えて。 ![]() #
by rhyme_naaga
| 2016-04-16 22:29
| Naaga`s Voice
犬たちとの暮らしの中で、僕が彼らを尊敬し愛してやまない理由は、彼らが持っている信頼の力にある。
彼らはつねに僕を信頼してくれる。それは彼らの全身全霊を込めた信頼であり、愛情である。その揺るぎない力に、僕はいつも心が震える。それは文字通り毎日のことで、僕は彼らを毎日、感謝を込めて抱きしめる。 なんて美しい生命なんだろう、と思う。 他者に対する溢れるような信頼を、彼らはどうやって獲得できたのだろう、と考える。 ![]() 人類と共通の祖先を持つ類人猿には、オラウータンやゴリラやチンパンジーがいるが、その他チンパンジーによく似たボノボという種が存在している。ボノボは見かけ上ほとんどチンパンジーと変わらないのだが、集団的な性格はほとんど正反対で、チンパンジーの社会は男性優位で権力闘争の果ての殺戮、戦争、レイプが発生することがあるが、ボノボの社会は女性優位であり、抗争は年長のメスによって調停され、回避される。 この二つの社会は対照的だが、チンパンジーとボノボのDNAの違いはほんのわずかであるらしい。そして、人類との比較でいえば、「チンパンジーと人類の差」と「ボノボと人類の差」は変わらない。比喩的に言い換えれば、戦闘的な社会と人類との距離は、平和的な社会と人類との距離と変わらない、ということでもある。 いわば、人類は戦闘と平和とを同じように手にしているのである。 例えば、帝国末期としてのアメリカ大統領選を見ると、その戦闘性によってポピュリズムを握ったトランプと、貧富の格差の解消を通じてあらゆる人々に安心して生きる権利を与えようとするバーニー・サンダースとの対比は、まるでこれら対照的な二つの社会を見るようである。僕の知人はこの構図を「まるで指輪物語のようだ」と評したが、言い得て妙である。 犬たちの人間に対する信頼は無条件に深く、それは僕たち人間には到底、到達しえない深度であるかのようだ。 ただ、僕たちの近縁であるボノボの社会はそれを実現しているし、友愛の理念は紀元前の時代からそれを獲得してこようとしてきた。いわば、僕たち人類は戦闘と平和の間に立ち続けてきたわけである。 そして、犬たちは、僕たちの中のもっとも崇高な部分を映し出す鏡である。 その鏡には、信頼が映っている。 そして、友愛が映っている。 愛情が映り、委ねることが映っている。 愛すべき美しい生命。 犬たち。 ![]() #
by rhyme_naaga
| 2016-03-24 23:21
| Naaga`s Voice
バイオリニスト高山典子さんとのコラボライブです。
東京代々木上原の音響の素晴らしいホールです。ぜひいらしてください。 ![]() ライブ「すべての美しい闇のためにⅡ」with 高山典子(バイオリン) 日程:3月5日(土) 出演:高山典子(バイオリン)長屋和哉(Mac、パーカッション) 料金:3,000円(当日4,000円) 時間:19:00開演(18:30開場) 会場:MUSICASA(ムジカーザ) 住所:東京都渋谷区西原3-33-1 アクセス: 小田急線・千代田線「代々木上原」駅東口より徒歩2分 京王線「幡ヶ谷」駅南口より徒歩12分 予約・お問合せ:ミュージックアソシエイツ Tel:03-5999-8016 web:http://nonnonspace.com 主催:ミュージックアソシエイツ ![]() #
by rhyme_naaga
| 2016-02-12 21:03
| ライブツアー
古いデータを整理していたら、およそ10年ほど前、知人に依頼されて書いた詩が見つかった。
テーマは「美」について。 もしよろしかったら、どうかお読みください。 ![]() 美について きみは 尽きることのない海から生まれ 踏みしめられた銀色の雪に かつて 歓びの声をあげたのだ 人生はその歓びのすべてだと 陽光に満ちた午後の食卓で 祖母に教えられたのだ きみは 思い出すことができるだろうか あでやかな花にも似た 賑やかな午後の樹の下で きみの生が祝福され きみの名が決められた 夏の午後を きみは 一編の詩の行間にこぼれた 海のような空白に 生を受けたのだ きみの名は すべての祝福と歓喜のなかで 召喚された 初めての夏の午後に 父はきみの名を呼び そして母は さらに名を呼んだ きみは世界の無垢よりも無垢で 世界の美よりも さらに美であった ひとときも絶えることなく きみとともに歩いてきたのだ 初めての夏の午後 きみはそうして歩きはじめたのだ 父がきみの名を呼び 母がさらに呼んだ 眩い夏の午後から 長屋和哉 2007年初夏 ![]() #
by rhyme_naaga
| 2016-02-10 21:48
| Naaga`s Voice
今月末(2/26〜28日)、高野山にて【柳本和也先生と長屋和哉のコラボ高野山リトリート】が開催されます。
![]() これは通常、2泊3日の内容ですが、1泊のみ参加 & WSのみ参加の募集も開始されましたので、もしご興味のある方はぜひ冬の高野山にいらしてください(但し、2/12(金)までは、宿泊あり2泊の方→1泊の方→宿泊なしの方の順で優先的に受付させていただきます、とのことです。マットを敷くスペースに限りがあり、宿泊してもコラボWSに参加できない、とならないように何卒ご了承くださいませ)。 また、僕の行なうワークショップ『シンギングボウルの演奏法と音の不思議』では、倍音とは一体どういうもので、どのように構成されているかについてなどを概説しながら、美しい音の演奏法を説明したいと思っています。同時に、神話や仏教への脇道を経巡り、「音」を中心とする万華鏡=カレイドスコープのようなワークショップにしたいと思います。 ご自身のシンギングボウルをお持ちの方は、ぜひご持参ください。 どうぞよろしくお願いいたします。 【柳本和也×長屋和哉 寿ぐ冬の高野山リトリート】 ▲2/26~28 2泊3日 ¥55,000(①②③④⑤⑥のワークに参加) ▲2/26~27 1泊2日 ¥30,000(①②③④のワークに参加) ▲2/27~28 1泊2日 ¥31,500(④⑤⑥のワークに参加) ▲WSのみ参加 ①『Kazuya Yoga WS』 2/26 14:45~16:15 ¥5,000 ②『シンギングボウルの演奏法と音の不思議』 2/26 19:00~21:00 ¥5,000 ③『セルフプラクティス』 2/27 6:00~7:45 ¥4,500 ④『瞑想ライブ~ミトラの夢~』 2/27 12:45~14:15 ¥5,000 ⑤『コラボWS』 2/27 14:45~16:15 ¥10,000 ⑥『Asana Mandala WS』 2/28 10:30~12:30 ¥6,000 詳細&お申込み→http://biotope-yoga.com/?p=4004 ![]() #
by rhyme_naaga
| 2016-02-07 23:53
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