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風の三郎 vol.5
まるでメモをとるように、「風の三郎」を書き続けている。一体これは誰かが読んでくださっているのだろうか、と訝り、たとえ読んでくださっていても、このひどく乱雑な思考の航跡を理解してくださる人はきっといないだろうなあ、と思っていたところへ、数人の友人が、「あれ、面白いよ」と言葉をかけてくれた。友人とは、ありがたいものだ。
だから、またこの乱雑なメモを書き続けよう。もうしばらく。
しかし、ひとつだけ。今更ことわる必要もないかも知れないが、僕が考古学も人類学も民俗学も学んだことはないから、このメモには学問的な裏付けはまったくない。僕のただひとりの思考である。歩きながら、考えたことである。
そう、僕はいつも歩きながら、漫然と、焦点を合わせずに、考えるのである。いつも。

甲賀三郎、諏訪大社の大祝がともに冬ごもりをする大蛇、そして縄文の竪穴式住居とそこに埋められた瓶。
それらに通底するのは、「地底」である。八ヶ岳の地底世界だ。
僕は縄文的な世界観には、この地底世界が大きく横たわっているのではないかと思う。そして、地底とは一体どういう場所なのか。
すぐに思いつくのが、イザナミの神話である。イザナギが亡き妻を求めて地底の黄泉の国へ出かけると、そこには腐乱死体となったイザナミが横たわっている。ここで大切なのは、腐乱したイザナミの死体から、あらゆる豊穣があふれだしていたことだ。
女神が死んで、そこから新しい生命が息吹く、というのは汎世界的な神話のタイプで、ハワイの女神ハイヌウェレの名をとって、ハイヌウェレ型神話と呼ばれている。縄文の土偶の多くが破壊された形で出土するのは、それらを彼ら縄文人がわざと破壊したからである。女神をかたどった土偶を破壊し、それをたとえば、焼き畑に散らける。すると、そこから新しい生命が芽生えるのである。
ここからはディオニュソス的になるのだが、生命には個体としてのビオスと、個体ではない生命全体を指していうゾーエーというふたつの言葉があるのだが、このイザナミ、あるいはハイヌウェレを貫く原理は、まぎれもなくゾーエーである。生命のエネルギーの永遠といってもいい。つまり、女神の死はエネルギーの分与であり、そのエネルギーは個体の形を変えながらも永続するのである。

蛇やカエルの冬眠は、地下で行なわれる。諏訪の大祝はなかば地下となった竪穴式住居で冬を過ごす。その地下を、イザナミ的な地底世界ととらえることはできないだろうか。蛇が脱皮を繰り返しながら永遠の生命を宿しているように見える秘密は、その冬眠にあり、なぜならば、蛇はそこでイザナミ的女神のエネルギーの分与にあずかっているからだ。
縄文の竪穴式住居の出入り口に埋められた瓶。そこに入れられた子供の亡骸は、イザナミ的女神の地底世界へ送り返されるものなのではないだろうか。大切なのは、それが「大地」へ戻されるのではなく、あくまでも「地底世界」へ、であることだ。大地へ戻されるのであれば、瓶に入れずに土に埋めれば良い。だが、瓶に入れられるというのは、つまり贈答品のように、パッケージされてどこかへ交通される、ということだからだ。

甲賀三郎は諏訪の地底世界を彷徨った果てに、大蛇となった。永遠の生を、地底で授かったのである。瓶に入れられた生命なき子供は、地底に戻り、イザナミ的女神の秘儀をうけて、あるいは大蛇として蘇るのかも知れない。その大蛇が、あるいは男根状の石であるのかも知れない。つまり、生命の環。エネルギーの永遠。

僕は夢想する。
八ヶ岳の地底世界。そして、八ヶ岳の洞窟。八ヶ岳のどこかに、洞窟があるかも知れない。地底世界へのアクセスの場として。
もし本当に洞窟があるとしたら、八ヶ岳の風、風の三郎はその洞窟から吹きあげてくるのだ。
イザナミ的時間、冬の時間に。
by rhyme_naaga | 2005-12-27 04:01 | etc
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