外で生まれた仔猫は、母猫にネグレクトされ、寒い冬の夜を我が家の楽器倉庫で過ごすようになったが、僕たちは彼女に去勢手術を受けさせ、何本かの注射を受けさせた。
しかし彼女と家の中で一緒に暮らせるようになるためには、先住猫との相性もあるし、何よりも彼女が猫エイズと猫白血病のキャリアでないことが前提となる。先住猫はキャリアではないから、もし彼女がキャリアであった場合、2匹を一緒にすることはつまり先住猫の生命にも深い影響を与えてしまうことになるからだ。

先週のこと、獣医のもとへ彼女を連れていった。
お腹の虫下しの注射をしてもらった後、彼女がキャリアであるかどうかの検査をしてもらった。
「15分くらいで結果がわかるから、待ってて」
と言われ、彼女を入れたバスケットケースを抱えて、待合室で待つその15分はとても長かった。彼女はその中で、ずっと鳴いていた。もし彼女がキャリアであったなら、僕たちは彼女をもう一度、外の世界へ明け渡さなければならない。それしか選択肢はないが、僕にはそれをする自信がなかった。
やがて診察室にもう一度、呼ばれ、バスケットケースで鳴き続ける彼女と一緒に入っていくと、
「エイズの白血病も陰性だよ。オールクリア」
と言われた。その時の安堵と喜びの大きさといったらなかった。

そして、もうひとつの課題である先住猫との相性も、僕はずいぶん心配したのだが、わずか1時間もしないうちに彼は幼い彼女をすっかり受け入れてくれた。我が家の2頭の心優しい犬たちは、仔猫の彼女を気遣ってくれた。
一般論としての動物たちのことは、僕にはよくわからない。
しかし、僕が接してきた動物たち、僕が愛した動物たちはただのひとつの例外もなく、みな心から優しかった。彼らはみなスイートだった。
彼らは純粋な贈与のように、僕たちの世界の片隅に生きている。
しかし、その片隅はむしろ中心である。そこから、僕たちはかけがえのない愛情と経験と、そして他者のために生きる学びを得ることができるのだから。