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ケヤキのタネが、ケヤキの樹になるように。
麦のタネが、麦になるように。 私たちのタネは、私たちになる。 八ヶ岳の遅い春がようやくやって来て、木々は生まれたての美しい新緑をまるで薄いヴェールのようにまとい始めた。 やがてその薄いヴェールは、ふくよかなドレスのような深い緑に変わる。 この時期、ほんの一瞬のあいだ、木々はヴィーナスのように艶めき、美しい。僕の庭のケヤキは、3年前に移植したもので、根切りが悪かったせいか、昨年は元気がなかった。冬のあいだ、まるで死んでしまったように枯れ果てていたその木も、しかしつい先日、美しい新緑を芽吹き、堂々と大地に生きていることを証した。 そして、八ヶ岳の大地に眠っていた麦は、新たな色彩とともに芽吹き、空に向かって穂を伸ばしている。 春がめぐり来て、そんな生まれたての新緑を見るたびに、僕はなんというか、まるでひとつの奇蹟を目にしたような驚きを感じる。 ケヤキの樹が、新たな緑を芽吹くのはあたりまえのことかも知れない。麦から落ちたタネが、麦になるのはあたりまえのことかも知れない。タネが包み込んだ遺伝子は、それが麦のものである限り、麦になるようにプログラムされているからだ。 言葉をかえれば、その遺伝子を包み込んだタネは、麦として成長することの可能性をその胎内に宿しているということだろうか。 そのタネは、ほかの何物にもなりえない。タネは、自分自身の将来像をはっきりと知っていて、迷うことなくそれを実現するのだ。 そう、迷うことなく、自分自身になるのである。 僕が驚くのは、植物たちの、その迷いのなさだ。 彼らの、ひとすじの意志だ。 植物たちの意志は強く、まっすぐである。自分自身を実現するために、その最短距離を進む。 あの柔らかで、しなやかな根は、必要ならば、アスファルトさえ砕く。 ケヤキの樹を見上げよ。そのおおらかで、誇らしげな姿を見よ。 麦の香りを嗅いでみてほしい。その艶めいて、甘やかな香りを。 心理学者のC・G・ユングは、生涯を通じて多くの人の夢を分析した。 そのなかで、子どもたちの夢分析も数多く行ない、そして、子どもの頃に見た夢が、その人の将来を予見するものであることを発見した。 つまり、子どもの頃の夢は、将来の自分自身を宿しているのである。 子どもの無意識は、やがて自分自身がどのような大人になるのかをすでに知っていて、それを夢という形で本人に知らせるのである。 いわば、子どもの無意識は、植物のタネそのものなのだ。そのタネはやがて芽吹き、葉をひらき、枝を伸ばし、花を咲かせる。 それは、あなたの樹だ。 あなたが子どもの頃に、夢に見ていたあなた自身だ。 そして、あなたの樹は、ひとすじの意志だ。それはまっすぐで、おおらかで、誇らしげだ。 柔らかで、しなやかで、強い、ひとつの意志だ。 あなたの樹は、空に向かって枝を広げている。 春の青空へ。そして、さらに遠くへ。 美しい春の、風に鳴って。 ![]()
by rhyme_naaga
| 2012-05-05 00:24
| Naaga`s Voice
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