僕が暮らしている八ヶ岳南麓には別荘地がたくさんあり、昔ながらの集落もあり、森もたくさんあるからだろうが、捨てられる犬が本当に多い。
これは最近聞いた話だが、成年のゴールデンレトリバーが捨てられ、役場で保護され、殺処分にされるところだった。それを地元でボランティア活動されている方が、役場に頼み込んでなんとか殺処分される期限を待ってもらい、飼ってくれる里親募集のチラシを作って、図書館やコンビニに配ってまわった。
チラシを見てみると、とても可愛い犬だった。
殺処分、なんて、本当にいたたまれない。一体飼い主にどんな事情があったのかは知らないが、少なくとも、そんなふうに命を捨てるなんて、決して許されることではない。
それから数日、殺処分の期限をとっくに過ぎた頃、八ヶ岳南麓一体のコンビニや図書館に貼られたチラシを見て良心が傷んだのか、その犬を捨てた当の飼い主が現れて、ひきとっていったそうである。
それにしても、頭が下がるのは、こうして殺処分の延長を「絶対に新しい飼い主を捜すから」と言って、役場に頼み込み、実際に動きまわったボランティアの方の思いである。
すごい方である。心より敬服する。
犬も猫も、もちろん身体という物理的な生命からできているが、その物理的な生命には、人間と同じように、気持ちがたくさん詰まっている。心が詰まっている。
その心は外の世界との関わりで、時にやすらぎを感じ、時に恐怖を感じる。そして僕たち人間は、いとも容易くその心に恐怖を与えることができる。本当に簡単に、それができる。
僕たちは彼らにとって絶対的な強者として存在し、振る舞い、彼らを年間何十万頭も殺戮し続けている。
僕たちは、年間何十万もの心を、恐怖で満たし、潰しているのだ。毎年、毎年。それはなんと、いたたまれない、酷いことだろうか。
心があるのに。気持ちがあるのに。
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