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大切な人から、手紙をもらった。そこには作家・坂口安吾の「続・堕落論」からの文章が引用されてあった。
「表面のきれいごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、血を流し、まっさかさまに堕ちていかねばならぬ」 そう、人は堕ちる。自分自身の生命と魂の諸相を生きようとすれば、必ず人は堕ちてゆくのだと思う。ニーチェは書いている。 「人間において偉大であるところのもの、それは、人間が一個の橋であって、目的ではないということである。人間において愛されうるもの、それは、人間が一個の過渡であり、一個の没落であるということだ」 坂口安吾が「堕落論」を書いたのは、終戦直後のことだった。戦争中、日本国家に忠実であった男たちは闇市でごろつきになり、家庭のために自らのすべてを犠牲にしてきた貞節な女たちは、飲み屋で男の腕にぶらさがった。坂口安吾はそんな彼らに対して、「それでいいんだ、堕ちればいいんだ」と言ったのだった。 魂は堕ちてゆく。 しかし、堕ちてこそ、魂は人間の切実な真実となるのである。 思えば、まったく別の友人に坂口安吾の「続・戦争と一人の女」という短編を読むことを勧めたばかりだった。東京・実相寺のコンサートに来てくれた彼女は、その小説に衝撃を受けていた。 「長屋さん、なんちゅうもんを読ませるんや」 と嘆息していた。安吾を読む前と後とで、世界はまったく変わってしまう。少なくとも、僕はそう思う。 ところで、話はガラリと変わって。 その実相寺のコンサートの夜、北京ではちょうどサッカーアジアチャンピオンを決めるアジアカップ決勝戦が行なわれていた。 対戦は、日本vs中国。八ヶ岳を急いで出発してきたため、予約録画を忘れてしまっていた。 コンサートも終わり、撤収をし、機材を車に積載している時、ふと近くに停車していた乗用車に目をやると、運転席には年配の男性が座っていて、カーナビの画面をじっと見つめている。 カーナビの画面は一面が芝のグリーン。 そう、言わずと知れたサッカーや、である。 僕としては居ても立ってもいられなくなって、積載を人に任せ、その乗用車の助手席に歩み寄り、コンコンと窓を叩いた。 「あの、すみませんけど」 そう言うと、運転席の男性はすぐに事情を理解してくれ、 「あ、どうぞ、どうぞ、今、後半30分くらいです」 と言いながら、ドアを開けてくれた。 「あ、すんません、ありがとうございます」 などと言いながら、僕はそそくさと助手席に乗り込み、早速カーナビの画面を親の仇のようにじっと凝視し始めたのだった。ゲームは2対1で、日本が勝っている。 そして、そのまま後半45分が過ぎ、3分のロスタイムがちょうど半分くらい過ぎたあたりのこと、1点を追って全員で前がかりに来ていた中国の背後には広大なスペースが生まれており、中村俊介がそのスペースめがけて長いパスを出した。するとFWの玉田が俊足を生かして、ほぼトップスピードに近い速さでボールを受け、中国ディフェンダー3人をかわして、そのままシュート。ゴールが決まった。 「やったああ!!」 僕と見ず知らずのおじさんは二人して同時に叫び、同時に手を伸ばして、堅い握手を交わしたのであった。 そして、すぐにゲームは終わり、日本は優勝した。僕たちは再び堅い握手をしたのであった。 ま、坂口安吾とはなんの関係もないですが。 いい話しでしょ? これ? え? そうでもない?
by rhyme_naaga
| 2004-08-10 01:47
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